腕の良い料理人は奇想天外

最近贔屓にしている居酒屋さんは仲の良い同僚に連れて行ってもらったお店です。
けして派手なサービスがあるわけじゃなくどちらかと言えばご主人は無口でぶっきらぼう、値段はごく普通、でもお酒はもちろん出てくる料理が丁寧で美味しいのが気に入っています。
かつて京都の名店で修行したらしい腕前は確かに一般の居酒屋とは一線を画していて、同じ献立でも季節ごとに味付けを変えていたりするのがさすがです。
居酒屋に限らず季節感を大切にしているお店は個人的に好きなのですが、パッと見コワモテのご主人が繊細に盛りつけた皿の上の料理を見ると、人は見掛けによらないものだと思います。

ある日珍しく話しかけて来たご主人、『ちょっと遊びで作ってみたんですが試しにどうです?お代はいいから』
出て来たのは何とキッシュでした。
ん?どうしてキッシュを。
ご主人は照れくさそうに話してくれました。
『昔修行したお店にフランス人の常連がいて教わったんですよ。
私ももう少し男前なら居酒屋じゃなくてビストロやっても良かったんですがねえ』
味は本格的なフレンチのテイスト、へたなパン屋より美味しい出来でした。

あとになって気付きました。
お店の隅っこにボルドーの高いワインがあるのはどうしてなんだと。
きっと誰も飲まないだろうに、そう思っていたのです。
あれはきっとこういうのもやる時はやるよという意思表示なんじゃないかと思ったのです。
またしばらくしたら何かリクエストしてみようかなあと思います。
和ではなくフレンチのビストロメニューで。

ワイン

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